高齢者

終の棲家で幸せに過ごすには

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「人生100年時代を乗り切るためにその4」でも述べましたが、2025年、自分も含め団塊世代の全員が75歳以上(後期高齢者)になると、後期高齢者総数が2200万人を突破し年間死亡者数が激増し、我が国は「多死時代」を迎えると言われています。昨日の「万が一の場合の対処を間違えないようにしましょう」で書いた通り、自分の「死」ということを自分の好き嫌いやコトの良し悪しに関わらず真剣に考えておく必要がありますね。どんなに頑張っても人は不死身ではありません。生きている以上必ず老化も含めて様々な問題が発生してきます。その時、あなたは誰にも迷惑をかけず1人だけで様々な日常生活をこなして生きて行けますか?日々をどう生きていくかということについては、「元気な自分を続けて行くために」、「最後まで元気な高齢者でいるために」等でまとめていますのでご一読ください。

要支援対策と地域包括支援センター・要介護の施設選び

自分の力で立って歩いて自分の家で生活して行きたいと願うことは当然のことだと思います。しかしながら思うようにならなくなってしまうこともまた事実なのです。自力で出来ることが少なくなった時、いくら身内でも家人に助力してもらうことにも限度がありますので、どうしても公的な介護や支援の手助けをいただくことになります。厚生労働省の調査では2025年に介護職員が約253万人必要になるのに対し、供給の見込みは約215万人と予測しています。およそ、38万人の職員が不足するという計算なのです。介護職員の不足は、現在でもすでに深刻化しています。全国の約7割の介護施設が「職員の数が足りない」という危機感を抱いている現状です。昨日のブログでは、ボクの判断ミスで親父を入院させてしまったことで本人を苦しめて病院で死に至った話をしました。今日は母親のことを書かせていただきます。母親は要支援1から段階的に悪くなり今は要介護4となっています。要介護認定の目安はここを参照してください。
要支援2の段階でボクから地元の地域包括支援センターの手助けを部分的に依頼したのですが、サービスを開始しようと決めた翌日には気に食わないと断ってしまうのです。昔からわがままで身勝手な性格ですので、当初家内が母親の身の回りの面倒を見に行っておりました。しかしあまりのワガママに対応しようと無理をして家内自身が腰を痛めて大変なことになりました。家内自身が杖に頼らないと歩行できない状態になってしまったのです。家内には大変申し訳ないことをしたと思っています。そこで父親にも話をした上で地域包括支援センターにご相談し、母親には民間の養護老人ホームに入居してもらうことにしました。このままでは全員が参ってしまうからです。選択した会社さんは有名所で、民間の養護老人ホームとしてイタレリツクセリで、ボクも入居したいなと思うほど支援やサービスは素晴らしいです。入居一時金も高額でしたが、宿泊費食費を含めた毎月の利用料金が70万円になることが続きました。それでも1年近く頑張りました。地域包括支援センターに色々ご相談していたところ、ちょうどタイミングよく、自治体から特別養護老人ホーム入居の審査を受けてみないかというお話をいただくことが出来ました。母親の要介護レベルは4ですのでなんとか順番に入れていただくことになり、年が明けさらに数ヶ月してから、特別養護老人ホームにお世話になることができました。ここは入居一時金はありませんし、宿泊費食費を含めた1ヶ月の利用料金が10〜13万円くらいなのです。ではいままでお世話になっていた民間の養護老人ホームと特別養護老人ホームの違いは何なのかといいますと、夜の見回りが複数と単数の違いであったり、見回り時間の間隔や回数が違うこと以外、特別大きな差は見つけられませんでした。特養に入りたいということで順番待ちになっている理由がここでわかった気がしました。そして2016年以降、民間の「福祉・介護事業」の倒産件数は毎年100件超となっています。常に人手不足の状況で職員がストレスを溜め込んで大変なことになっていますのでお気の毒です。これは1つの例ですが「終の棲家」にするつもりの施設選びを間違えれば、とんでもないことになってしまうということですね。

民間の介護付き有料老人ホームと特別養護老人ホーム

暗い話ばかりで嫌なのですが、少なくとも自分で生活できるうちは、自宅で暮らすことが幸せな生活を送るための「鉄則」だと思います。そして、「自力でトイレに行けない」とか「1人で動くことが困難」になったときには、迷わず地域の包括支援センターに相談すべきです。介護保険に入っている限り当然の権利なのですからきちんと相談した方が良いです。そして結果的には要介護3を目安に、施設での介護に移ることが得策かもしれません。家人を頼るにも限度があります。お互い生身ですからね。しかしいざその時になってから施設を探しはじめても、比較検討や見学を徹底する元気も時間も自分には残されてはいません。そういう意味で入りたい介護施設の候補探しは早くからやっておく必要がありますね。ウチの母親の場合は、地域包括支援センタースタッフのご助力と、偶然運が幸いしてタイミングよく入居することができたのです。民間の介護付き有料老人ホームは前述の通りウチの母親も1年間ほどお世話になっていましたので、悪く言うつもりはありません。心より感謝しています。しかし費用が普通の会社員では支払いきれないほど割高であることと、民間企業ですので場合によっては倒産のリスクがあることは否めません。食事や排泄、入浴などを補助するスタッフが常駐し、24時間介護サービスを利用することができるのは大変ありがたいことですけどね。このような民間の介護付き有料老人ホームに本人の力だけで入ろうとすると、蓄えと年金だけで賄えない場合も十分出てきますので、途中で支払いが滞り「終の棲家」を追い出されるという最悪の事態に陥らないとは言い切れません。ですので、特別養護老人ホームへの入居を考えることが誰にとっても現実的なのです。特養は入居の際に一時金などの費用が一切かかりませんし、月額費用もおおよそウチの母親のケースと似たりよったりです。更に、社会福祉法人や地方自治体が運営する公的施設のため、民間の老人ホームのように突然倒産する心配はありません。それだけに、人気が殺到しているという問題があります。都心部だと入居待機者数が500人、1000人を超える施設はザラにありますし、この先2025年に向けて介護需要が過熱していけば、特養に入るのはますます困難になってくるでしょう。なぜこんなに入居待機者数が増加しているかというと、ほとんどの人は、自分が今住んでいる町や、子どもが住んでいる町に絞って特養を探すからなのです。そんな必要はまったくないのですけどね。そのため常に待機者が途切れない特養ばかりが目に入り、結局は妥協してボクのようにめちゃ高い有料老人ホームを選んでしまうということになるのかもしれません。お金が有り余っていれば良いのですよ。ボクは一般ピープルのことを言っています。新型コロナウィルス感染症の問題もあって、母親とはこの1年半ほど会っていません。いえウチだけでなく特養の入居者全員がそういう状況なのです。特養の利用生活費用は銀行の自動引落を組んでいますので、これでご迷惑をおかけすることはないと思いますが、時折特養から指示される衣類等を送ることくらいしか支えることができません。特養スタッフの皆様に感謝するとともに、母親にも気の毒だと思いますがどうすることも出来ません。身内である我々も後期高齢者になろうとしています。これが我が国の現実なのです。

大切なのは心構え

では、どうやって自分の入れる施設を探せばいいのかというと、日本全国に視野を拡げれば良いのです。都市部から少し離れるだけで、待機者がほぼゼロの特養を見つけることだってできるのです。都心部に拘る必要なんてないのですよ。自分の住んでいた町にいなければならない理由も、子どもたちのそばにいなければならない理由もまったくないのですから。全国レベルで見てみましょう。その数約1万軒の特養が存在します。この中からどうやって具体的な入居先を絞り込んでいけばいいのかというと、絶対に活用すべきなのが、厚生労働省がインターネット上で提供している「介護サービス情報公表システム」なんです。これはきっちりメモしておきましょうね。このサイトでは、全国約21万ヵ所の介護事業所の基本情報を、一括で検索することができるのです。ここで「特別養護老人ホーム」と入力し、「空き人数」の順番に並び替えると確実に空いている特養を見つけ出すことができます。しかしながら、人生の最後を迎える場所を選ぶということを考えると、「ただ空いているから入る」というのは、どんなモンなんでしょう。入ってみたら一切外出も許されない閉鎖的な環境だったり、食事がどうしても舌に合わないなんていうこともあるかもしれませんよね。ですので、一番確かなのは、自分自身の足で訪ねてその施設の様子を知っておくことなのです。そのために使えるのが、介護保険のサービスのひとつである「ショートステイ」です。「ショートステイ」は「トイレや入浴に一部手助けが必要な要支援1から対象になりますし、連続最高30日間、目当ての特養で生活することもできます。その間に、施設との相性を確かめるというのも良いかもです。ケアマネにご相談し詳細を検討した上で、ヘルパーさんに時折自宅を訪問していただき、お手伝いいただけることをお願いする等の対応策をとれば、多少は不便であっても最後まで自宅にいることだって出来るかもしれません。ウチの父親も母親も、もう少し素直にボクや家内や地域包括支援センタースタッフの方々の話を聞いていてくれたなら、もっと早めの対応が可能だったと考えてしまいます。皆さん、我が国は国民に今後ますます厳しい生き方を強いる状況になって行くでしょう。少しでも快適で幸せな「終の棲家」に巡り会えますことをお祈りいたします。

 

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