近年「FIRE」という言葉がはやっています。これは「Financial Independence(経済的独立), Retire Early(早期退職)」を略したものだそうで、要は、若くして働かなくてもいい財産を形成した状態のことをいいます。「〇〇さんは40歳で2億円ゲットしてFIREした」なんていうように使われます。若くてっていうのは何歳までなのかって思っちゃいますけど、要するに企業を定年退職する前にコトを起こして成功したなら「FIRE」というのかもしれません。数日前に「改正高年齢者雇用安定法」(通称・70歳就業法)で70歳を定年退職時とする努力義務がすべての企業に課せられましたので、解釈がもっと大変になりました。しかしこの「FIRE」というのは一部の若者の憧れのようですので、曲がりなりにも70歳まで地味にコツコツと生きてきたボクの考えを少しまとめてみますのでご参考にしていただけたらと思います。ボクは死ぬまでいつまでも働きたいので「FIRE」していませんし、したいと考えたこともありません。ボクは人生で「お金」を求めているのではなく「生きがい」を求めているからなのです。自分が自分として最後まで行きていくための手段の1つがお金ということは理解しているつもりです。
「FIRE」を目指したい人って、要するに他人様より多くお金がほしいのですよね?お金さえたくさんあれば何でも出来ると思い込んでいる人がこの類です。ボクが5年前に大学の教授をしていた時代に、「私はやりたいことがあるので、そのためにお金がたくさんほしいと考えています。」とゼミの学生に言われたことがあります。ボクは「君が一生かけてやりたいことがあることは素晴らしことだと思う。しかしお金がなければそれができないという考え方はおかしいと思う。志があれば道は必ず拓けるのだから。」と答えました。また別のタイミングで違う学生は、「ボクは英語の勉強をしたいのでアメリカに行くことにしました」と言いましたので、「外国語や異文化を学ぼうとする姿勢は大切なことなので捨ててはいけないが、君がアメリカに渡り英語を使って何を学びたいのかということが大切なのであって、英語という言語を学ぶだけなら日本にいても十分可能だ」と伝えました。彼らの気持ちはわからないではありません。しかしボクの考えが間違っているとは思いません。もちろんお金は大切ですし、お金で出来ることはとても多いと思います。お金を粗末にする人は絶対に大きくなれません。ですのでお金のことを考えることを悪いとは決して思わないですし、むしろ社会に出る前から真剣に考える必要があると思うのです。しかし、お金がなければやりたいことが出来ないという考え方には抵抗があります。詐欺や横領窃盗などの犯罪を行わず、お金を得る方法はたくさんあります。地味ですが、普通にボクのやってきた方法をまとめてみますね。
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無駄・無理・背伸びしない合理的なダウンサイジング
- マイカーの利用を考慮(レンタカーに切り替えました)
- 生命保険を辞めました(大手から共済に)
- 銀行口座を整理し市中銀行からネット銀行へ変更しました
- 電話の見直しを行い固定電話の利用を停止し携帯電話は格安 SIM利用へ移行しました
この「無駄・無理・背伸びしない合理的なダウンサイジング」のリンクをご覧いただけたたら、以上を実行したことで、ざっと計算しただけでも年間200万円近いムダ(これをムダと言うかどうかは個々人の考え方で差がありますが)を省くことが出来たことをご理解いただけるものと思います。ケチンボになれとは言ってません。ケチして日々をケチケチ生きることと、ムダをしないということはまったく違うことなのです。ケチしてコソコソ生きていると、どこかできっと卑しい気持ちになるはずです。しかしムダをしないで生きていくということは頭を使って工夫を重ねる努力をしているということで、日々の生活とともに自分自身が進歩して行けるということになります。両者はまったく違うものであることを理解していただきたく思います。
日々の暮らし方を考える
日本人のあなたが日本でムダをしないために少しでも意識しておくべきことは以下の3つだと思います。
- 手取り所得の最低2割は貯金に回す。企業の確定拠出年金やiDeCo、つみたてNISAなどへの投資もこの「貯金」に含めて考える。iDeCoは50歳までなので制度の出来た時に年齢が過ぎていたボクには出来ませんでした。
- 「貯金」は、全てインデックスファンドに投資する。ボクは楽天証券で投資していますが、国内インデックスと米国インデックスの2つを実行しています。投資はギャンブルではありません。これはまた別の機会に詳しく述べます。
- 投資に当たっては、会社の確定拠出年金、iDeCo、つみたてNISAなど税制上有利な運用ができる手段は最大限に活用する。ボクの場合前述の通りiDeCoは資格がなかったので、国内インデックスを積立NISAで行っています。
手を出して良いもの、悪いものがあるので、以下をチェックしてこれをきちんと確認し選択しましょう。目先の金銭の大小にとらわれることが大きな損失を招くことになります。
- カードローンやリボ払いには手を出してはなりません。
年率10%を超えるような借金はしてはダメです。給与振り込み用の銀行口座はネット銀行がオススメ。リボ払いは「借金生活の入り口」。絶対選択しちゃダメです。 - 大きな固定費の見直しから節約を。
家賃、通信費など確実に下げられる固定費を見直しましょう。テレワーク云々の問題はさておき、「職住接近」が基本です。旅行や衣替え、結婚式、里帰りなどの支出について予算化し、必要貯蓄額を差し引いて生活を考えましょう。 - 銀行、証券口座、クレジットカードなどは数を絞る。
ボクは銀行口座はネットのみ、クレジットカードは用途と利便性から3つ、スマフォアプリはiDとPayPay+交通系SUICA、証券口座は楽天証券。さらに絞るために再度精査中です。 - 生命保険に入らない。
「高額療養費制度」を利用する。貯蓄性の外貨建て保険などは非効率的。大学を定年退職したと同時に大手保険会社の高額保険は脱会し、夫婦そろって都民共済に入りました。都民共済も70歳からは保証が悪くなったので、そろそろ脱会し無保険で過ごして行くことを検討中です。 - 自己投資に惜しまずお金を使いましょう。
将来の自分の人材価値を高める効果のある教育などに積極的に投資しましょう。
これらを、どのように組み合わせるかで、FIRE(って言っていいかどうかわかりませんが)の中身とタイミングが変わってきます。目先に大きなお金が見えたとしても実際に大金をゲットしたとしても、それを何に使うかで自分の人生が変わります。人生を長い目で見た場合、正解も不正解もありません。ただ、人により異なった体験があるだけです。誰だって墓場まで札束持って行けませんからね。ボクは最大の財産は健康だと考えています。今日の家内の69歳の誕生日にあわせて自分の考えをまとめてみました。\(^o^)/