高齢者

近未来予測レポート(経済編)

投稿日:2021年5月20日 更新日:

これは、ボクが個人的に自分用にまとめたものですから、他への転送転載は不可とさせてください。これを書いている今は(2021/05/08 17:09現在)です。
経済予測はボクの専門外なので、自信はありません。多くの著名な経済評論家やアナリストの皆様が様々なデータから将来予測を出しておられますが、うなずけることもありますが、必ずしも正直なものばかりでなく、どこかの組織に都合の良いようにかなり意図的な発表構成になっているものもいくつか見られるように感じています。つまり言い方を変えるなら正直でないものも多数あるように思えるのです。
いつの時代も戦闘や戦略の要になるのは情報であり、正確な情報の分析が勝敗を決定してきました。情報戦の成否がすべてに優先して将来の優劣を分けることになります。そういう意味で、自分の責任において、ボクは自分の目で見て、自分の頭で考えて、自分の心で判断するという姿勢を貫いています。以下、情報収集力の限られた高齢者としての自分の勝手な考えですが、インフレに向かう現在をまとめてみたいと思います。

インフレの時代へ

日本の宇宙開発の父と呼ばれる糸川英夫先生が「コンドラチェフの波」を研究分析し、この波は上昇する30年と下降する30年という周期で構成されると説明しておられます。糸川先生は1990年をコンドラチェフの波の下降期の到達点特異点だとしています。ここでは次の新しい30年に向けたパラダイムシフトが起きるわけですが、実際に東西冷戦が終結、日本ではバブル経済が崩壊しました。ボクはこの時40歳で、まだ明星小学校で教員の末席に在籍していましたが、自分が一生をかけて歩んでいく道を熟慮した結果、大学院を受験することを決めた年でもありました。そしてこの5年後に明星小学校を退職し玉川学園に移籍し、そこから更に5年した50歳の時から上越教育大学大学院の大学院生となります。
少し話がずれましたが、1990年の30年後に当たるのが2020年で、ここが上昇のピークだということになります。これは昨年のことで、実際にはコロナ禍が起きました。2020年が特異点だとすれば、ここを境に世界と日本は大きく変貌、パラダイムシフトが起きることになります。日本では長らく続いたデフレが終わり、いよいよインフレの時代に向かいます。世界的には超低金利が終わって金利上昇の時代に入ります。「米中冷戦」の時代が到来しています。コンドラチェフの波の上昇期は「物質文明」でした。日本はモノづくり大国となり「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われました。そしてこの2021年からは次の下降期が始まっているわけですが、この時代は情報通信革命が進化し、「精神文明」に向かいます。この中で今までとは違った視点違った価値による、新しいGAFAが誕生する可能性が十分あり、それはアメリカン・ドリームだけでなく日本でも然りなので、正しく将来を見通している経営者の率いる企業は新GAFA(最近USでは、マイクロソフトのMを入れてGAFAMで表記される場合が多いようです)となっていく可能性があるのです。
上記を踏まえた現実問題として、「インフレ」の流れは2021年5月現在既に始まっており、それに伴う「金利上昇」も今後避けられない方向に向かっています。おそらく日本を含め各国の政府や中央銀行は、今後もできる限りの金融緩和続行を図ると思われますが、急速にインフレが進む中で低金利を維持することにはどこの国でも当然限界があります。日本では「「デフレ」と「金融緩和」の時代がここ四半世紀ほど続いたため、国民の「インフレ」と「金利上昇」への警戒感が非常に薄いのです。つまり危機感がないのです。何も考えていない人がほとんどなのです。スーパーインフレが起こったとしても、まさか日本がかつてのギリシャのように国家財政が破綻するようなことは起こらないだろうと考えられていますが、日本は世界最大の債務国であることを忘れてはなりません。国民全員が中流階級意識に浸っている場合ではないのです。日本人はもはやビンボーなのですから。
日銀がいくらマネーを過剰供給してもインフレはなかなか起こりませんが、商品やサービスの供給がストップしたり減少したりすれば、インフレは瞬く間に起こってきます。1年程前の「マスク騒ぎ」での異常な価格高騰ぶりを思い出してみてください。いい年をした年配者が血眼になって店員さんを吊し上げていましたし、ここぞとばかりに暴利を貪った価格でネット販売を試みた不届き者も多くいましたよね?これはコロナの驚異によるマスクへの需要が急激に高まったことがきっかけではありましたが、根本的な原因は生産が極端に中国にシフトされていたことから、生産機能が縮小されていた日本での増産が追いつかなかったという点にあります。アベノマスクなんてカッコ悪いこともありましたけどね。日本に限らず中国依存を高めていた先進国の多くはこの時マスク不足に悩んだわけです。現状中国依存はマスクに限りませんが。
過去のインフレを考えると、例えば戦争による破壊や社会の混乱による「供給不足」が原因になっていることが多いのです。また、まだ先進国と言われる、全国民中流意識のある日本ではモノが溢れているため「生活必需品」の需要が大きく伸びることは考えられないので、生活の基盤となるエネルギーと食糧の供給不足がインフレの牽引役となるものと考えられます。国を上げてEVの普及を急いでいるのはこのことも理由の1つだと思えるのですが、現段階ではまだ自動車のガソリンの給油は定期的に行わなければなりませんし、停電は避けたいですが、現段階で電気の多くは化石燃料によって発電されているという事実があります。
食料の買いだめと言っても限度があります。過去のオイルショックの時に「トイレットペーパー騒ぎ」が起こり市場にトイレットペーパー不足が起き大混乱になりましたが、トイレットペーパーの製造に重油が必要であることからの連想でなのですね。残念なことに、日本はエネルギーも食糧も輸入依存度が高いですのでとても深刻です。こういう時に限って流通の停滞が起こります。我が国では国民の10%が買い占めに走ると品不足が深刻化し、流通も平常ではなくなるため、市場への商品供給はストップします。特にこれは東京都区内だけでなく、地方都市も含めて都心部では深刻な問題になります。
前述しましたが、どこの国も世界の工場という位置づけで、低価格で生産し物資供給をしてくれる中国に依存してきました。こうして地球の二酸化炭素総排出量のおおよそ3分の1を排出するに至ったわけです。いま、先進国だけ厳しい環境規制を行っても先進国の工業を衰退させるだけなのです。四半世紀にわたって続いてきた「デフレ」と「低金利」を前提にした社会が、いよいよ「大転換」の時代に突入してきたと考える必要があります。
さて、国内に目を向けます。2023年3月、日銀の黒田総裁が任期満了で退任し新総裁が誕生します。これにより、黒田総裁の施策1(世の中に出回るマネーを、それ以前の約5倍に増やした)2(「異次元金融緩和」が終焉する)ということで不動産バブルは崩壊し不動産価格は下落すると見ています。どの方向に舵取りがされるのかわかりませんが、アベノミクスも失敗し、インフレ2%を達成できないままデフレからインフレへ向かう中で日本のとるべき道は少ないです。
ボクが小学生(10歳位)の頃に150人ほどだった100才以上の日本の高齢者は、ボクが70歳になった現在ではすでに7万人を超えています。今後もますます日本人の高齢化は進んで行きます。今のように市場にマネーが飽和し、不動産などの資産価値が急騰し、経済過熱感がまん延している状態はバブルです。我々は何度か経験していますが、バブルが崩壊した後には世の中はインフレに向かいます。
皆さんがどれだけの蓄財をされているのかわかりませんが、自分の財産は家族のために守りたいと考えるのは自然ですよね。ご存知の通り、インフレ時にはお金の価値が目減りします。1年後にインフレになるとした場合、目の前にある100万円が今は100万円の価値があっても、1年後の今日は見た目は同じ100万円であっても物を購入するときには90万円のものしか買えなくなるということです。いま100円の缶ジュースが、インフレ後は中身も味も全く同じなのに120円になるということです。今まで100円で買えたものが100円のままで買えなくなったということは、インフレ後の100円には、以前の100円と同じ価値がないということになります。仮にハイパーインフレが起こった場合、通貨の価値が極端に下落し、最終的には日用品を1つ買うのにも札束を抱え込まなければいけないような状態まで進行するかもしれません。ギリシャがまさにこれでした。ドラクマのお札を焚き火に焚べて焼いていたニュースがありましたよね?
さて、インフレに弱い資産の代表例が現金(普通預金・定期預金)です。インフレになれば金利が上昇して受取利息は増えますが、受取利息の上昇がインフレのスピードについていけなければ資産価値は目減りします。だからお金をたくさん持っていても意味がないのです。もしも多額のタンス預金があるなら使ってしまった方が良いですよ。同様に年金も無力です。ゼロではないですが、価値は低くなります。現在の年金はマクロ経済スライドを採用しているので、その時の社会情勢に合わせて年金の給付水準を自動的に調整しています。だから社会状況にあわせて年金の供給額も目減りすることになるのです。
過日大事になった老後2000万円問題もあり、不安になるあまり日本国民は、消費を控えて不必要にお金を貯め込みすぎているではないでしょうかね。2024年に政府が新札を発行すると財務省が公示していますが、これはまさに脱タンス預金と脱マネーロンダリングの温床撲滅をしたいからに他ならないのです。2023年には日銀の黒田総裁の任期満了退任に伴う金融政策の変更があるはずです、これが我々国民にとって吉と出るか凶と出るか?ここから数年後の2025年には、日本の全人口の30%が高齢者となり、「近未来予測レポート(環境編)」に書きましたが、地球温暖化対応政策のリミットを迎えるので、悲しいことですが、このままで行くなら地球崩壊の方向に向かうことが確実となってしまいます。ですので小金を持っていても何の役にもたたないのです。
以上のことから、インフレに強いと言われる4つの資産でインフレ対策を考えておいた方が良いと思えるのです。
まず、株式です。インフレになると物価が上昇し、企業の利益も上昇し、結果的に株価が押し上げられます。だから上昇株は購入した方がいいのですが、目先の株価上昇に気を奪われる人は絶対失敗しますからやっちゃダメですよね。ボクは2021年3月で持ち株のすべてを売却しました。総額でも大したことはありませんので投資家の皆様からは笑われるかもしれませんが、自分自身の稚拙な分析から年内の株価下落と崩壊を予測したからなのです。早ければ今夏にあると考え自分を信じて動きました。次に投資信託です。投資信託をするなら、ボクのような初心者にはインデックス投資が無難です。NISAや積立NISAは必ず手を出しておいた方が良いです。NISAは金融庁も後押ししている無税になる国民の権利ですので、やらない人はもったいないですよ。市中銀行に1億円を1年間預金しておいても千円の利息にしかならないのですから、現段階で銀行預金なんて何にもならないのです。次に注目されるのは「金」です。価値のある資源として信用があるため、インフレの際に需要が増して金が買われます。金の価格は貨幣価値とは関係なく、金そのものの価値で決まりますから紙幣の価値が下がったとしても、金の価値は一定です。そして最後に不動産です。金と同じく、インフレに強い現物資産として有力なのが不動産だと言われています。インフレが発生すると、貨幣の価値が目減りする一方で物価は上昇しますので不動産自体の価値も上がるという構図が考えられます。不動産の売買を繰り返すことでお金を得たいという気持ちは自分にはゼロですが、紙幣に価値がなくなってしまってからでは不動産の購入をしたくとも出来ません。社会問題として、2035年には、我が国の人口の約3分の1が高齢者となります。そこで急増するのは、当然介護サービスの需要です。いつまでもみんなが元気な高齢者でいられれば良いのですが、介護を必要とする要介護(要支援)認定者の将来推計は、2025年で約815万人、その後数年で900万人を超えると予測されています。一方介護職員の数は不足していて、このペースで高齢者が増加すると考えた場合、2035年には68万人の介護職員が足りなくなるという予測がたっています。前述しましたが、2023年には日銀の黒田総裁の任期満了退任に伴う金融製作の変更があるはずです。これが吉と出るか凶と出るか?そしてこの2年後の2025年には、日本の全人口の30%が高齢者となり、地球温暖化対応政策のリミットを迎えます。日本では65歳以上の単身者世帯つまり独居老人となっている方々は、過去35年間で男性は約10倍、女性は約6倍にも増加したというデータがあります。一人暮らしが老後破産を意味するわけではありませんが、相談する人がいないという社会的孤立が、老後破産に間接的なことでも大きく影響する可能性があるのです。
さて、家族のために生きているうちに自分に何ができるか真剣に考えておきたいですね。

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  1. ヒデさんの教え子 より:

    ヒデさんこんにちは。
    U.S.の環境政策の転換が一因となりインフレが加速、また中国では石炭発電削減で計画停電を実施、工場が停止して製品供給に影響しています。
    つまり米政府が結果として人意的にインフレ加速させ、FRBはそれに対して人意的に政策金利を引き上げて対応する状況となっています。
    なので利上げによる株価下落は必然的に生じるものでしょうね。
    それではまた。

    • いつも元気な工房長 より:

      矢萩くん、しばらくです。ご無沙汰していて申し訳ない。コロナの収束が見えず、居酒屋にもこの2年行けてません。またいつかぜひお会いしたいですね。どうかお元気で。そして的確なコメントありがとうございました。

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