高齢者

万が一の場合の対処を間違えないようにしましょう

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親父が91歳で死んで1年半になりました。やっと色々書ける気持ちになりましたので、ボクのように残された家族が大変でめんどくさいことにならないようにこれを参考の1つににしていただけたら幸いです。

家人が自宅で亡くなった場合、かかりつけの病院がある場合は病院へ連絡し主治医に確認をお願いすることになります。死因が明らかに診療中のもので、死亡直近に診療を行っていた場合については、その場で死亡診断書が作成されます。

また、突然死や自宅内での事故死の場合など、かかりつけの病院がない場合は、躊躇せずすぐ警察に連絡しましょう。警察から実況見分のための警察官と、遺体の検案のための警察医が来てくれます。死亡場所での実況見分と遺体の検案をした結果、死因が判明し、なおかつ事件性がないと判断されれば、その場で死体検案書を作成してもらうことができます。死体検案書は死亡診断書と同内容です。家内の父親(享年78歳)がこのタイプでした。この段階で重要なことは、警察の到着前に決して遺体を動かしてはならないということです。警察が介入するのでこれはとても重要なことなのです。

経験からお知らせさせていただきます。

気をつけるべきことがあります。もしも救急車を呼んだ場合、「心肺停止をみたら蘇生」を義務とする救急隊員が延命処置をします。その場合、入院して意識が戻らないまま、身体中管だらけで挙句の果てには延命治療となり病院でたったひとり幸福とはいえない最期を迎えるケースも十分ありえます。ウチの父親がコレに近い状況でした。これだけは本人の意志に従えず可愛そうなことをしたと今も後悔しています。親父が過去に二回入院したことのある行きつけの病院に入院する段階でドクターに「先生にも本人から何度かお話している通り、本人の希望でもありますので、延命処置はしないでください。」とボクからお願いし、その場で了解をきちんと取り付けたにも関わらず、いつしか知らない間に鎖骨から心臓に向けて点滴処理をされました。まったく食べ物も飲み物も口にできないでやせ細っていく人間に栄養だけ送り込んでおしめをした寝たきりの状態で生き続けさせているのです。当然これは話が違うでしょうと申し入れをしたのですが、「💢病院入院中に患者を餓死させるわけにはいかないんだ💢」とえらく叱られました。病院は患者を生かすために助けるためにあるのですから、当然といえば当然のことなのかもしれないですが…………。そうか、看取りをしてくれる病院なのかそうではないのかをボク自身がきちんと聞き出しておくのでした。失敗でした。早く普通に死にたいと言っていた本人の希望にそえず、1ヶ月半かけて徐々に衰弱し苦しんでから亡くなりました。ボクの判断ミスで入院させてしまったことで本人を苦しめてしまったことが心残りでなりません。亡くなったことは寿命なので仕方がないと思うのですが、故人の希望に添えず病院なんかに入れてしまったことを、亡くなった今も後悔しまくっています。もっと楽に逝かせてやりたかった。ただそれだけなんです。病院で親父の死亡が確定してから、予てから知り合いの調布のLin MC Group SOGIサポートセンターに連絡し、遺体搬送その他をお願いしました。ここは大変面倒見の良い対応の行き届いた業者さんですので、本気で助かりました。SOGIサポートセンターから搬送車で川口の病院まで来ていただき、身支度お清めをしてもらい棺桶に入れて府中の火葬場まで運んだのですが、病院を出る出棺時にもとうとう担当のドクターは中から出てきませんでした。いやーな思い出です。2020年現在、病院で亡くなる方はおよそ8割とされています。ボクと同じような思いをされた方もおられるかもしれませんし看取りをしていただいた方もおられるかもしれません。最初からきちんと確認されることをオススメしたいです。

死亡してからが大変

死亡診断書(死体検案書)をもらったら、すみやかに役所へ死亡届を提出し、火葬許可証を発行してもらうのですが、死亡届を提出した時点で、銀行へ死亡情報が流されます。なので、この時までに、葬儀等当面必要であろう預金を引き出しておかなければ、以後預金が凍結されてしまうから大変なのです。凍結後は、相続の権利者全員の署名・捺印の入った「遺産分割協議書」を作成しなければ、預金を引き出せなくなってしまいます。また金融機関によって多少の違いはありますが、本人の死亡証明やら住民票無効証明やら戸籍謄本やら、色々なものを持ってこいと言われます。ですから、不謹慎な言い方を許していただきたいのですが、「亡くなったら、まずはATMへ走れ」です。ウチは大した預金はありませんでしたが、両親はキャッシュカードを使っていなかったのでこの手は使えませんでした。銀行に正直に亡くなったことをボク自身から伝えたために大変でした。「正直者は最後までバカを見る」です。

締めくくりとして申し上げておきたいことがあります。大変辛い死に方をしないためには、自分の足で最後まで立って歩いていられることが大切です。スピードも距離も関係ありません。自分の力で立っていること立てることが重要なのです。何度も連載でブログにしていますが、病院に入院せず、自宅で最期を迎えるためには、日頃から体を鍛えておくことが大切で、意識して少しでも筋力の衰えるスピードを鈍化させて行く姿勢が大切です。ジムになんか通わなくて良いのです。出来ることを出来るだけ積極的に動こうとすれば良いのです。

老衰で亡くなる方でも、死の直前まで体力があり、普通に外出したり、自転車に乗っていたというケースもあります。そこから数日で一気に弱って自然に枯れるように亡くなるというようなこともあるのですね。でもそれって幸せなことではないでしょうかね。老衰で亡くなる場合でも、それなりに体力を保てれば、ピンピンコロリが達成できるはずです。先々月(2021年4月逝去、享年77)亡くなった俳優の田村正和さんは生前から「理想の死に方」を求めていたそうです。同じく先々月(2021年4月逝去、享年95)亡くなった脚本家の橋田壽賀子さんは83才から週3回、1回1時間のトレーニングを欠かさなかったそうです。ご本人は最後まで自分の足で動きたい、他人に手助けをしてもらいたくない、という強いお気持ちを持ち続けていたそうです。大切なことは、自分がどのような最期を迎えたいのかを、普段から身近な人と心置きなく話し合っておくことですね。人は必ず一度は死ぬのですから、恐れることはありませんが、高齢者としてはどうすれば幸せな死に方ができるのかをよく考えて決断しておかねばなりませんですね。

 

 

 

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